2016-01-01から1年間の記事一覧
『統計学が日本を救う(https://www.amazon.co.jp/dp/4121505662)』は、『統計学が最強の学問である』で有名な西内啓氏による、日本の社会問題にかかる、統計学からみた視点と解決策がテーマの一冊である。すなわち、統計学そのものに関する書籍ではない。 …
ある数字の動きは以前からどう変化しているのか。何が影響しているのか。その調べ方のひとつが寄与度分解である。 複数のものを足し合わせた指標の前年比や前期比を求めたうえで,どの要素の寄与が大きいかを求めるのはそこまで難しい話ではない。ここでは,…
標準的ではない生産者の意思決定行動 前述のとおり,行動経済学は,企業が意思決定の標準モデルからどれほど乖離するかではなく,消費者が個人の意思決定モデルからどれほど乖離するかにまず焦点をあてる。行動経済学では,しばしば,標準モデルから消費者が…
「参照点基準」であり,「公平感」を取り入れた消費者選好 標準的な経済モデルでは,個人は純粋に自己利益的であり,自らが受け取る効用の絶対的水準にのみ関心を寄せると想定している。例えば,標準的な枠組みでは,以前に受け取った金額が0ドル(100ドルの…
はじめに 法律(あるいは規制)と行動経済学の関係は消費者保護の場面で語られることが多い。他方,法律と経済学という観点では,伝統的には会社法や競争法を中心に分析が進んでいる。では,競争法と行動経済学との関係はいかなるものか。 そこで,今回は,"…
はじめに ピケティの『21世紀の資本』が2015年の世界を賑わせた。ページ数が膨大であるにも関わらず、ベストセラーになった。そのうえ、同年12月には同氏の師匠にあたるアトキンソンによる『21世紀の不平等』が翻訳され、話題となっている。 やや遅ればせな…