no pat answer, no grapevine

一見正しそうなことや噂になんか流されない。

経済

最近の京都の客室稼働率

全国有数の観光地である京都市の客室稼働率(京都市観光協会が公表)について、昨年10月の記事で分析と考察を行いました。その後、全国旅行支援の開始や入国制限の緩和といったプラス材料が客室稼働率にどのような影響を与えているのか、今回はみていきたい…

京都の客室稼働率について考えてみる。

全国有数の観光地である京都市における客室稼働率(京都市観光協会が公表)は、2019年に平均8割程度だったのが、2020~2021年は同約3割、2022年(1~8月平均)は同約4割と低い水準が続いています(図1)。なお、まだ支援策等が明らかではなかったと考えられ…

果たしてテレワークは進んでいるのか?

テレワークの推進が日本企業には求められています。しかしながら,2回目の緊急事態宣言下にあるというのに,通勤する姿がまったく消えたとはいえない状況にあります。いったい何が背景なのでしょうか。今回は,日本生産性本部という団体が「働く人の意識調査…

【書評】経済指標のウソ(ダイヤモンド社、2017年)

景気には山谷や循環があり、GDPや失業率によってわれわれがいま循環のどこにいるかが明らかとなる。こうした世界の見方に我々は慣れきっているが、実は数十年しか検証されていない経験則に過ぎないものだとしたら…。 では、GDPや失業率はどのような歴史を経…

行動経済学は競争法上の問題解決に資するか?(3/3)

標準的ではない生産者の意思決定行動 前述のとおり,行動経済学は,企業が意思決定の標準モデルからどれほど乖離するかではなく,消費者が個人の意思決定モデルからどれほど乖離するかにまず焦点をあてる。行動経済学では,しばしば,標準モデルから消費者が…

行動経済学は競争法上の問題解決に資するか?(2/3)

「参照点基準」であり,「公平感」を取り入れた消費者選好 標準的な経済モデルでは,個人は純粋に自己利益的であり,自らが受け取る効用の絶対的水準にのみ関心を寄せると想定している。例えば,標準的な枠組みでは,以前に受け取った金額が0ドル(100ドルの…

行動経済学は競争法上の問題解決に資するか?(1/3)

はじめに 法律(あるいは規制)と行動経済学の関係は消費者保護の場面で語られることが多い。他方,法律と経済学という観点では,伝統的には会社法や競争法を中心に分析が進んでいる。では,競争法と行動経済学との関係はいかなるものか。 そこで,今回は,"…

『21世紀の資本』を4段落でまとめてみると

はじめに ピケティの『21世紀の資本』が2015年の世界を賑わせた。ページ数が膨大であるにも関わらず、ベストセラーになった。そのうえ、同年12月には同氏の師匠にあたるアトキンソンによる『21世紀の不平等』が翻訳され、話題となっている。 やや遅ればせな…