ちょっと難しい寄与度分解
ある数字の動きは以前からどう変化しているのか。何が影響しているのか。その調べ方のひとつが寄与度分解である。
複数のものを足し合わせた指標の前年比や前期比を求めたうえで,どの要素の寄与が大きいかを求めるのはそこまで難しい話ではない。ここでは,複数のものを掛け合わせた指標の寄与度をどう求めるのかついて備忘を記しておくこととしたい。
例えば,xという指標は2つの要素a,bの掛け算からなるとする。x1が去年,x2が今年と考えて,前年比の寄与度を求めると仮定する。
x1=a1*b1
x2=a2*b2
x2/x1-1が前年比である。これをa,bを使って求める。
x2/x1=a2b2/a1b1
=1/a1b1*(a2b2+a1b1-a1b1)
=1/a1b1*(a1b1+a2b2-a1b1+a2b1-a2b1)
=1/a1b1*{a1b1+(a2-a1}*b1+(b2-b1)*a2}
よって,
x2/x1-1=1/a1b1*(a2-a1}*b1+1/a1b1*(b2-b1)*a2
と整理することができる。
aの寄与度は1/a1b1*(a2-a1}*b1となり,bの寄与度は1/a1b1*(b2-b1)*a2となる。
ここでのポイントは変形式で同じものを足して引くこと(a1b1とa2b1)である。この式変形を思い出せることが重要だ。